貴方に恋して良いですか? 


               ダレもいない部屋で、人形の軋む音がした。

               正確にいうと、人形が動く音。

               私は、人形。

               裕美ちゃんって子に可愛がられてる、

               うさぎのお人形さん。

               裕美ちゃんのいとこで、ときどき裕美ちゃんの

               部屋に入ってくる、隼人くんって子に

               私は恋をした。

               人形だけども、恋をした。

               人形でも、何よりもダレよりもまけない、

               好きっていう力があった。

               まわりの人形たちは、

               『人間になんて恋しちゃダメだよ、お前が辛いだけ』

               『どうせ私たちは人形。好きって伝わるはずもないんだわ。

               だって、人間は人形が動くなんて思ってないもの!』

               『動いたって、ビックリされるか怖がられるだけだよ』

               人形は普段動かない。

               けど、それはただ、昔 昔に誰かが

               勝手にそう決め付けただけで、

               人形に心がないなんて嘘。人形は作られた後、動けるようになる。

               それがなぜかは私にはよく分からないけど。

               私は人形な自分が、次第にいやになってた。

               だから、人間になりたかった。

               人間になって、隼人くんとおしゃべりとか、したい。

               今は夜中。

               裕美ちゃんも、この家の人たちもグッスリと寝ている。

               小さな窓の外から、キラン、と流れ星が落ちかけた。

               とっさに願い事を言う。

               「人間にしてください」

               両手をパチンとくっつけて頭をちょこんと下げて、願った。

               顔をあげたときには、もう流れ星はなかった。

               そして、うさぎの人形の私は眠りについたのだった。

 

               「うーん・・・おはよう、みんなぁ」

               ふわぁぁ、と大きなあくびをした後、私は

               目を見開いてパチクリさせた。

               んん?

               ここは、どこだろう?

               「って・・・あれ!?」

               に。

               ん。

               げ。

               ん・・・。

               ・・・・・・人間の姿に、なってる・・・!?

               あたりを見渡した。

               だれもいない。真っ白な空間。

               パワワァ、と私の目の前が目が痛いほどに輝く。

               なんだろう。

               「アンタ、うさぎの人形さん?」

               「え?」

               突然現れた変な姿・・・魔法使いみたいな

               人に、私はビックリしてきょとんとした。

               「だーかーらー、アンタ、うざぎの人形さん?」

               「・・・え、あ、・・・はい?」

               「ふーん。アンタ、人間の姿も可愛いね」

               状況がつかめない。

               という顔で私はその魔法使いみたいな人を見つめた。

               この人はダレ?

               何故私は人間に?

               そしてこの人が何故私のことを知っているの?

               疑問はいっぱいでてきた。

               だが謎は考えても解けない。

               いわゆる、私が馬鹿だから・・・だろうか。

               「あたしは魔法使いの來夢(らいむ)。

               魔女じゃないわよ、魔女じゃ。魔法使い。

               あ、名前は呼び捨てでよんじゃってね。

               でさ、アンタ・・・・・・って、アンタって呼ばれちゃ

               いやでしょ。名前を教えて」

               「あ・・・、名前、・・・は、ありません・・・・・・」

               「・・・・・・そお。だったら、あたしが付けてあげる。

               うーん・・・そうね、"良夢(らむ)"・・・良夢は

               どう? あたしの名前のいを抜かしただけ。

               単純だけど可愛いじゃない!?」

               來夢のいきおいに私はビックリしてとっさに

               「ら、良夢がいいです!なんか感じも漢字もいいです!」

               と、大声でいってしまった。

               すると、來夢はプッと小さく笑った後、

               大声で爆笑した。

               は、・・・恥ずかしい。ちょっとだけ、後悔した。

               けど、名前を考えてくれて、嬉しかった。

               良夢。

               うん、いい。なんだかいい。すごくいい。この名前、いい。

               「・・・って、なんで私は人間なんですか?」

               「あー、敬語はやめて。かたぐるしい。

               なになに? どうして良夢は人間になってるかって?

               そんなの簡単。昨日、流れ星に願い事してたでしょ。

               だぁから人間にしてあげたのよー。

               ありがたくおもちゃってよねv そうそう、なんで人間になりたかったの?」

               いっぺんに言われて私はオドオドしたけれど、

               ハッキリ答えた。

               「好きな人間(ひと)が、いるんです」

               最初の声は小さかった。

               だが、だんだんと力強くなって、大きくなった。

               「だから、人間になりたかった。恋をしたかった。

               好きな人と、喋りたかった・・・」

               「ふーん。・・・・・・がんばりな、あたしも応援するよ」

               はい、コレあたしの電話番号。

               と來夢はいうと、バイバーイ!とほうきに

               乗っかって空へ去っていった。

               この世に魔法使いがいると、信じていた。

               だが、もちろん半信半疑だった。

               今日、魔法使いを見て、魔法使いがいるんだと

               確信した。

 

 

               さーて・・・どうするかな・・・。

               というか、どうしよう。

               人間になれた。超うれしい。しゃべれる。

               そこまでは、いい。

               いいん、だけど・・・。

               それから、どうやって隼人くんに声かけて

               しゃべって告白するか・・・。

               無理、無理無理。

               どうしよう、本当に人間になれるなんて

               思ってなかったから、全然なにも考えてなかった。

               ・・・とりあえず、家に帰るかぁ・・・。

               って! 人間の姿でいったら他人だと

               思われちゃうよ・・・。 どうしようどうしようっ。

 


               雨が振ってきた。

               結局、家にも戻れなくて

               公園のブランコに座り込んでいた。

               ブランコなんて、始めて乗った。

               ぽつり、ぽつり。

               雨のせいで、どんどんぬれていく。

               涙も、こみ上げて、雨にまざる。

               「どうすればいいの」

               ひとりごとを、つぶやく。

               「どうやって、前に進めばいいの」

               すると、

               「おい!」

               と。声がした。

               あ、隼人くんの声ににてる・・・。

               空耳?ああ、クラクラする。

               雨にうたれたせいか、頭も痛い。

               「誰か知らないけど、お前、こんなとこに

               いたら風邪引く・・・って、おいっ!?」

               そんな言葉が耳に入っても私はわけわからなくなって

               そのまま意識が遠のいていった。

 

 


               布団がある。あったかい。

               パチリ、と目を開けると、知らない部屋にいた。

               起き上がる。ダレもいない。

               ガラッとドアを開ける音がした。

               「あ、起きた?」

               隼人くんだった。

               「え、あ、わわ・・・私・・・その・・・」

               「お前、ブランコで雨に打たれて

               風邪引いたんだ。

               俺、ちょうどかさもって本屋いく途中だったんだ。

               よかったよかった。

               あのままじゃ、どうなってたか」

               はは、と隼人くんは笑った。

               「あの、隼人くん・・・あ、ありがとう」

               「いえいえ。・・・って、何で俺の名前知ってんだ!?」

               び、ビックリ!!と言う顔で

               隼人くんは首をかしげた。

               「あ、え、と・・・」

               あたりをちょっとだけ見渡す。

               『未来都市』と大きく書かれた左のすみのほうに、名前のかかれた半紙があった。

               「あ、あそこに習字が・・・名前が・・・」

               「あぁ。あれ見たのか。なんだ、超能力かと思った」

               また、はは、と笑う。

               夢みたい。 今、私は隼人くんと喋ってる。

               「今日は俺ん家とまっていきなよ」

               にこ、と笑って部屋を出て行った。

 

              話しが出来た。

              とてもとても小さい出来事。

              とてもとても小さい出来事だけれど、

              とてもとても大きな幸せに繋がる気がした。

              私は、一歩前に進むことが出来た。

 

              ――END――

 

 

 

 

 

               きゃ〜 汗
               ちょっと長かったかも。
               愛里ちゃん、依頼ありがとう!!!
               かいてみたけど変な小説でごめん!! 爆
               な なんか中途半端になったから
               続き番外編でもかこうとおもう^^
               いつか・・・ にこ。 <ぇ
               それでゎそれでゎー(・∀・)
               依頼ありがとうございましたー♪
               亀さんペースでOKなら
               まだまだ依頼承ります〜〜(*ノ∀`*)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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